「汚いきつい仕事」と思われがちな造船業。しかし、日本の物流を支える誇り高き仕事だと、福田翔さん(35歳)は胸を張る。生まれも育ちも上天草市。ここ宇城市の小さな島、戸馳島で船づくりに励む毎日だ。
「ものづくりに興味があった」ただそれだけで、造船の世界へ!
高校を卒業後、初めての就職で造船業の世界へ飛び込んだ福田さん。その原動力は「ものづくりへの興味」というシンプルなものだった。
「船っていうだけしかわからない状態から、どんな感じで自分が携わっていくんだろうなぁっていう、ホント興味本位だけでしたね」
高校の普通科出身の福田さんにとって、専門知識はおろか工業の知識も全くゼロ。“見て覚えて”実践する日々。溶接の技術はもちろん、効率的な体の使い方まで、すべて「見て覚え」る日々だった。

「正直に言うと、自分が思ってるよりも全然うまくいかないんですよね。最初のころは、現場に飛び交う言葉も分からない感じで」
毎日が試行錯誤の連続。「途中でやめたいと思ったことは?」という問いに、
「ありましたよ、でも自分が相当負けず嫌いなんで」 ときっぱり。
「先輩たちよりも上手くなりたいとか、見返してやろうじゃないですけど、そういうのもちょっと気持ち的にあったのかもしれないです」

辞めたいと思った時、持ち前の負けず嫌いが爆発!そんな秘めたる闘志が、彼を成長させた。今ではクレーン運転士の資格も取得。外部との商談とから現場管理まで、多岐にわたる業務をこなす会社の中心的存在となっている。

学びは無限大! 船からの気付きが、仕事も人生も豊かにする!
福田さんの仕事のやりがいは、自分が携わった船が完成し、お客様に「ありがとう」「次もお願いね」と言われること。修理やメンテナンスで船が戻ってきた際に、お客様から直接感謝の言葉を聞くと、「やっててよかった」と心から思えるのだそう。
新造船だけでなく、他の造船所で建造された船の修理やメンテナンスも行う。福田さんは、他社の船を見たとき、「自分のところとは違うな」 と感じることがあるという。

「わー、こんなすごい仕事してるんだとか、逆に、こんな雑な仕事してんの?とか、どちらの学びもありますね」
常に新たな気付きや学びを得る機会は多い。また、不具合から改善策を導き出すなど、仕事の幅を広げている。
「こうしたから不具合が起きたんだとか分かれば、じゃあうちだったら、この部分をこのように対策をとっておこうとか・・・」
福田さんにとって、どんな業務もすべては「チャンス」であり、「学び」。いい船を作るための知識と技術磨き、造船人生楽しんでいる。

若手育成にも情熱! 優しさで未来を拓くベテランの眼差し!
17年間造船業に携わる福田さんは、今やベテランの域。若手社員の指導にもあたっている。若手社員に「優しすぎる」と言われることもあるが、自身が“怒られて育った世代”だからこそ、言葉を選び、相手のやる気を引き出すことを大切にしている。
特に20代の新人や外国人技能実習生など、多様な背景を持つ若手社員に、平等に溶接などの技術を教えている。

と福田さん。世代を理解し、その成長を願う温かい気持ちがにじみ出る。
地元とともに歩むライフスタイル!
仕事もプライベートも地域に根差す!
上天草市松島町に暮らす福田さん。通勤時間は約50分、毎日、天草五橋を渡って出勤している。
「見慣れてしまった天草五橋からの景色ですが、通勤中の朝日や夕陽を眩しいと思いながらも、やっぱり美しいなと思いますね」

家は実家をリノベーションした二世帯住宅で、両親と同居。6年前に職場結婚し、5歳になる男の子のパパでもある。両親と同居、妻が同じ会社に勤めていることもあり 、仕事への理解も深く、助けられていると語る。
休日は子どもと遊ぶことが多く、公園で一緒に走り回るなど、家族との時間を大切にしている。都会のような便利さはないが、豊かな自然環境と集落の目が行き届く地元での子育てを重要視しているようだ。

「地元が好き」 と語る福田さんのライフスタイルは、地域に根差したものとなっている。
造船業の未来を憂い、地域活性化を願う熱い思い!
「将来、どこまで自分でやれるんかなっていうのは、ちょっと考えたりしますね」
と、自身の力を試したいという願望も抱いている。天草の造船業の現状を冷静に見つめ、
「今、地元に造船所は数社しかないし、小さいところは小さくなっていくだけだし・・・。なので、この地域に篠﨑造船鉄工所の拠点を増やしすなどして、造船に携わりたいと思う人の選択肢を一つでも増やせたらなと。地域活性化じゃないですけどね(笑)」

福田さんの造船業、そして地域への強い思いが伝わってくる。

成長を求めるなら「失敗を認める人」であれ!
福田さんが共に働きたいと願うのは、“失敗を自分で認める人”だ。
「自分が失敗したとき、自分のせいじゃないって思うんじゃなくて、自分の失敗を自覚することが次への成長に繋がるんです」
「あそこで自分がこうやっておけばよかった」とか、「次は失敗しないようにこうしよう」と、素直に自分と向き合える人材を求めている。
「少しでも興味があるなら、何でもやってみた方がいい」
未経験から造船業に飛び込み、努力を重ねてきた福田さんの言葉には、重みがある。多くの人が経験をしない世界だからこそ、そこから得られるものは大きいという。
「造船業は、日常はない“非日常”を満喫できると思いますよ」
と福田さんは笑う。造船というものづくりを通して、地域社会を支え、自らも成長していきたいという熱い思いを持った人との出会いを待っている。
会社概要
なくてはならぬ造船業で、日本の物流を支える

日本は海に囲まれており、国内外の物資輸送において船は必要不可欠な存在です。特に、海外からの物資の99.7%が船で運ばれており、国内でも4割が船で運搬されている現状があります。今後、トラック輸送の問題からモーダルシフトが進むと予測されており、船舶を利用した海上輸送の重要性はさらに増していくと考えられます。株式会社篠﨑造船鉄工所は、この必要不可欠な造船業を通して、日本の物流を支え続けることを目指しています。
人を育て技術を継承し、地域に還元する

造船業は浮き沈みが激しい業界であり、後継者や若手人材の確保が課題となっています。特に、技術継承には5年から10年かかるといわれています。そのため、人材育成は会社の持続可能性に直結します。株式会社篠﨑造船鉄工所は、従業員にやりがいを感じてもらいながら技術を継承し、会社を長く存続させることを目指しています。また、県外からの依頼も受け入れているため、地域外からの訪問者による地域経済への還元も目指し、人々の役に立ち、地域に貢献できる会社であり続けることを使命としています。
変革を恐れず、多様性を可能とする造船業へ
代表者は、公務員時代に経験した熊本地震での被災者支援の経験が、家業である造船業を継ぐきっかけとなりました。これまでの「仕事優先」という造船業界の働き方から、公務員としての経験などから、従業員のプライベートを充実させ、仕事への意欲を高めることにもつながると考え、「やるときはやる、休むときは休む」というメリハリのある働き方への変革を進めています。従業員一人ひとりが知恵を出し合い、話し合いながら仕事を進めるスタイルへと移行。多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる場を提供することで、会社の可能性を広げています。このような、公務員としての経験と女性ならではの視点から生まれた変革と多様性の受け入れを通して、働きやすく魅力的な職場環境を築き、持続的な成長を目指しています。


募集内容について
企業名 | 篠﨑造船鉄工所 |
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仕事No. | 00011 |
価値観 |
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求めるスキル |
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働き方 |
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雇用形態 |
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求める人物像 |
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応募資格 |
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新卒エントリー |
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未経験者エントリー |
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勤務地の住所 | 熊本県宇城市三角町波多284 |
勤務形態 | 正社員 |
勤務時間 |
8:00〜17:00
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給与 |
250,000円〜450,000円 |
給与詳細(昇給制度やボーナスなど) | 通勤手当:上限10,000円 給与は経験やスキルに基づいて決定します 賞与は会社業績による |
福利厚生 | 社会保険完備 |
休日・休暇 |
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