今、天草で一番アツい宿泊施設「L’isola THE BIRD(リゾラザバード)」。 ここは、「藍のあまくさ村」や「リゾラテラス天草」など 天草の観光施設を運営する「藍の村観光株式会社」の新規事業として、 上天草市大矢野町に2023年4月にオープンした。
これまでの天草にはない、新しいスタイルで、リピーターも多いというこの宿泊施設の支配人を務めるのは、東京中野区生まれ品川育ちという鎌塚俊明さん34歳。生粋の都会っ子が、なぜ今、天草の宿泊施設の支配人をしているのか?
ホテル業を離れてみたらみえてきた 理想とする宿泊業の方向性
「新卒で新宿の京王ホテルに就職し、ホテルマンを3年ほど経験しました。もっとやりたいことをやってみようと、会社を辞め、2年くらい自由に思いっきり体験する時間をつくりました。国内のいろいろなところを巡ったり、ニュージーランドにワーキングホリデーに行き海外生活を体験したり・・・」
そんな中、長野市の隣にある須坂市という小さなまちのゲストハウスに住み込みで3〜4ヶ月働くことに。そこで、鎌塚さんにターニングポイントが訪れる。
「須佐市って、長野県の有名な観光地、善光寺と猿が温泉に入る地獄谷野猿公苑のちょうど中間地点にあって、観光客が通り過ぎていた場所だったんです。そんな場所にゲストハウスという拠点が一つできたことで、人が集まるようになり、インバウンドでも賑わっていました。このような地方都市のまちづくりや取り組みは、私にとって大きな刺激になりました。その後、ニュージーランドをはじめ、いくつかの海外を訪れたのですが、海外も同じで、人々の関心が地方に向いていることがよくみえました。」
首都圏で育ち、首都圏で働き、それまで地方に目を向けることなどなかった鎌塚さんにとって、この2年間の経験は観光・宿泊業において地方に目を向け、広い視野を持つきっかけとなった。
「2年間、いろいろな経験をしたのち、都心部から少し離れたところに新たなホテル展開を計画している会社に魅力を感じ、宿泊業に戻りました。地方に新たな拠点となるべく宿泊施設をつくり地方を盛り上げたいと思い、新規事業にはどんどん手を上げ、5年間で3件のホテル立ち上げに携わりました。地方でも、すでに観光地化されているところ、手つかずのところ、その両方でホテル立ち上げを経験できたことは、よい経験となりました。」
また、趣味を兼ねて、月に1回、奥様と都内のホテルを泊まり歩いていたそう。それぞれのホテルの取り組みや、接客、アメニティ、客室の案内ツールなどを宿泊者目線で見て回ることで、引き出しが増えるのだ。鎌塚さんのこのような積み重ねとこれまでの経験が、新たなホテル立ち上げに生かされていった。
きっかけは、奥様 1泊2日の弾丸で、天草の魅力にハマった!
「次のステップに向けて転職を考えはじめていたときに、妻が東京のギャラリーでたまたま天草出身の方と知り合い、天草で新しく宿泊事業を展開しようとしている会社があり、宿泊業に精通している人を探している、という話を耳にしてきたんです。」
奥様から天草での新たなホテル立ち上げの話を聞いた鎌塚さんは、より自分がイメージする宿泊業にマッチしていると感じ、すぐに1泊2日で弾丸天草へ!
「天草なんて、どこにあるのかも知らなかったけど、来てみると、口では言い表せない土地の魅力を感じました。ここも、まだ更地の状態だったんですが、『ここにこのようなものを建てようと思ってるんだよね』と社長から構想を聞かせてもらい、とてもイメージが湧きました。
とくに、妻の方が乗り気でした。妻は名古屋出身で、私と同じような環境で過ごしてきているので、天草の魅力にどハマりしていました。イルカが好きだったらしく、本物のイルカを見てテンションが上がっていました(笑)」
奥様はリモートワークなので、東京での仕事を辞めることもなく、すぐに天草への転職と移住を決意したそう。
家族や自分にとっての快適な熊本暮らし
天草での暮らしを聞いてみると
「実は今、宇土市に住んでいるんです。上天草には産婦人科がないので、妻の初めての妊娠を機に、有事のことを考えて宇土に引っ越しました。」
確かに、身寄りのない土地での出産や子育てのことを考えると、家族が安心して暮らせるまちを選ぶことは懸命な判断だ。
「宇土だと、ここまで車で通勤するのに片道40分くらいはかかるので、たまに三角駅に車を置いて、電車で帰ったりします。もともと、電車の時間がめちゃめちゃ好きなんですよ。多い時は週に1回、月に何回かは乗りますね。車だと運転に集中してるけど、電車だとアイデアが湧くんです。仕事中は接客や清掃業務などで考える時間をなかなか持つことができないので、東京にいる時は、都心部から地方への電車通勤の時間にアイデアや販売業務のことをまとめたりしていました。なので、今でも自分にとって、電車の時間は重要なんです(笑)。」
車ときどき電車・・・。熊本に住んでいる人が思いもつかない通勤スタイルだ。鎌塚さんは、都会に住んでいた時の習慣をそのまま取り入れ、自分にとって心地よい熊本ライフを構築している。
今、1歳になる男の子の子育て真っ最中の鎌塚さんに、熊本での子育てについて聞いてみた。
「熊本と東京では、環境が違うので教育の中身も違ってきますよね。私たちが小さいころは、知らない人に声をかけると危ないと教えらてきましたが、熊本では、知らない人にもあいさつをするように学校で教えていると聞きました。真逆の教えですよね。地方での子育てにメリット、デメリットそれぞれあると思いますが、自分の子どもがこれから人と人との繋がりの中で育っていくんだろうな、と思うと、それは嬉しいことですね。」
休日は、家族で熊本巡りを楽しんでいるという。
「熊本は、サイズ感がちょうどよく、自然、食、温泉など、飛び抜けた感はないけど、どの地域も平均的でバランスがいいと思います。」
最近美味しかったものは何ですか?と尋ねると、即答で 「湯島大根!同僚がくれました。いろんな食べ方で楽しみましたよ。美味しい大根1本で幸せになれる。熊本は本当に魅力的なところです。」
外の目線を取り入れ “日常の延長線上にある非日常”を目指して
現在「リゾラザバード」は。鎌塚さん含め、4人のスタッフで接客から清掃、パソコン事務、販売管理、プロモーションなどの運営を行っている。支配人である鎌塚さんとタッグを組むメインスタッフは、地元天草出身の藤本さん。箱根の宿泊施設に20年間勤めた経験を持つホテルマンだ。
二人がそれぞれ培ってきた首都圏での経験を生かしながら、「リゾラザバード」ならではの接客スタイルを作り上げている。
「このリゾラザバードでは、お客様とフラットな距離感での接客を心掛けています。変にかしこまり過ぎず、かといって雑でもない。自分たちが心地よいと思う接客や場づくりを、お客様に“ちょうどいい居心地良さ”と感じてもらえる。お客様もわたしたち従業員もひとりの人間として、裸の付き合いができるような場づくりを目指しています。」
鎌塚さんがホテルマンとして培ってきたホスピタリティから生まれた新たな接客スタイルは、型通りの接客ではなく、“ひとりの人間としての心からの接客”だった。
「ここから見える景色は本当にすごくて、自分にとっては毎日が非日常です。しかし、この環境には天草の生活感があるんです。漁師町なので漁船が通ったり、犬の散歩をする地元の人と出会ったりなど日常がある。日常の延長線上に非日常がある別荘のような施設、それが『リゾラザバード』だと思います。今や別荘もシェアする時代。私たち従業員をシェア別荘の管理人のような存在だと思って、思い思いに過ごしてもらう。そんな新しい宿泊スタイルをここから作り上げていきたいですね。」
リピータも多く、そのほとんどは熊本や福岡といった日帰り圏内だという。鎌塚さんたちが作り上げている別荘感覚の宿泊スタイルが、受け入れられているのだろう。
「県外からのお客様も多く、地元人との触れ合いを楽しみにされている方もいらっしゃるので、地元スタッフの存在はとても重要です。わたしにはできないことですから。今後は地元の人だけでなく、海外の実習生なども受け入れて、さまざまなお客様のさまざまなニーズにマッチする仲間が増えていくといいなと思っています。」
人が好き、化学反応にワクワクする自分に正直に
鎌塚さんが大学で専攻していたのは人間科学部。人間の心理や体の構造、そこからまちづくりなども学んだという。
「もともと人に興味があったんだと思います。誰かと誰かがつながる場をつくり人間関係をつくることに惹かれていました。人と人の化学反応にワクワクします。
今は、宿泊業を武器に、『リゾラザバード』で場作りを行なっていますが、常に自分のいるべきところはどこなのか、自分に問いかけています。国内外問わず枠に捉われることなく、自分の気持ちに正直に動いていきたいですね。」
次へと旅立つ地元若者たちの循環をつくることができれば、 みんながハッピーになれる
「この環境でこんな人と一緒に働きたいなど、何かしらの目的を持って入ってきてもらい。その目的を果たせるような業務の振り方を行なって、それに対する対価を提供してきいたいですね。褒められる感覚が自信に繋がり、自発的な笑顔になる。個人の気づき、価値観を会社の学びに繋げれば、個人も企業も共に成長していけると思います。」
働く人それぞれの考えや価値観を会社の成長に繋げていきたいという企業姿勢は、これまでにない価値観や世界観で“新しい観光”を作り上げていきたいと果敢に挑戦をし続けている「藍の村観」の真髄なのではないだろうか。
「また、うちの会社は複数施設を運営しているので、宿泊業、飲食業、小売業などの経験ができます。異動願いを出せば、転職したかのように新しい経験を社内で積んでいくことができるんです。働く中で意識が高まり、もっとやりたいことがみつかって会社を辞め、別の場所で実現したとしても、それは社会にとっても社長にとってもハッピーなことだと思うし、そういう若者の循環ができてくれば、地域は活性化して、常に人材は集まってくると思います。」
地元天草の若い人たちが「藍の村観光」でやりたいことをみつけ、モチベーション高く次へと旅立っていくというサイクルをつくることで、地域とともに成長する企業になっていけば、と鎌塚さんは語る。
「新しく入ってくるメンバーにも、働くからには楽しく働いてもらいたいと思っています。学びやチャレンジを刺激として楽しんでもらい、共に“新しい観光”を作り上げていきたいですね。」
会社概要
島から世界へ。 新しい観光の風を吹かす!
観光の「光」は、もっと多様であっていいはずだ。
観る/遊ぶ/食べる/泊まる・・をアップデートし続ける。
「天草」だから実現できる体験のあらゆる可能性に、もう一度光を当てながら、私たちは生みだし続ける。
私たちは、この島から「新しい観光の風」を吹かす。
「島」という場所は本来、どこまでも自由で、軽やかな風の吹き抜ける場所なのだから。
感謝の想いを笑顔で繋ぐ リーディングカ ンパニーへ。
天草だから見える景色がある。
私たちは、天草という「島」に根差すという宿命と縁に恵まれた。
その土地に生まれ、根を張り、その風土そのものの豊かさが実って、今の人と産物がある。
私たちはその全てに感謝して、誰よりもその有難さを理解する当事者として、本物の笑顔のために、発見を繰り返し、進化し続ける。
代表者の想い
「藍の村観光株式会社」は、“観光”を扱う会社でした。私たちは、その“観光”そのものをもっと多様にしていくことを目指しています。
私たちが上天草の地に根ざしてまもなく70年。観光も、旅のあり方も、大きく変化しました。そして今、旅は観光に止まらず、人生そのものに影響を与えるものとなりました。
「Local × New Elements 風が吹く、豊かな人生の旅が生まれる。」
私たちは100を超える島々が連なる天草諸島を自由に吹き抜ける風のように、まだ見ぬ景色と本来の自分と出逢い、新しい人生の旅の始まりをお客様にお届けしたい。そして、新たな観光を作り上げていく仲間と共に、豊かな人生を楽しみたいと思っています。
募集内容について
企業名 | L'isola THE BIRD(リゾラザバード) |
---|---|
仕事No. | 000001 |
価値観 |
|
暮らし方 |
|
求めるスキル |
|
地域 |
|
働き方 |
|
関心テーマ |
|
雇用形態 |
|
求める人物像 |
|
応募資格 |
|
新卒エントリー |
|
未経験者エントリー |
|
勤務地の住所 | リゾラザバード 熊本県上天草市大矢野町上5252‐44 ※事業所間で異動の場合あり (藍のあまくさ村:大矢野町登立910、リゾラテラス:松島町合津6215‐16) |
勤務形態 | 正社員, パート・アルバイト, 派遣社員 |
給与 |
高卒:月額170,000円 大卒:月額180,000円
|
給与詳細(昇給制度やボーナスなど) | 賞与:年2回(夏・冬) 昇給:年1回(4月) |
福利厚生 | ◇社会保険完備 ◇退職金制度あり(勤続5年以上) ◇社内外研修制度(定期実施) ◇産休育休制度(女性の産育休、男性の産休取得実績あり/規定あり) ◇慶弔見舞金制度 ◇制服支給あり ◇服装・髪型・ネイル自由(※ジェルネイルに限る) ◇社内割引制度(自社商品・サービス20%OFFにて購入可) ◇まかない支給(1食500円) ◇社内レクリエーション(バスケ・野球など) ◇社員旅行(年1回/過去、長崎、ハワイ、タイ、香港、台湾など) ★その他、クリスマスにはチキンを支給するなど、働くうえでちょっと嬉しいユニークな制度も多数! |
休日・休暇 |
|
入社後のステップアップ |
|